宇佐美くんの口封じ






目覚まし時計を投げ捨て、ベットを飛び降りる。

洋服は前日のうちに用意していたので選ぶ時間は省けたけれど、今日に限って寝ぐせがすごい。

毛先があちこちに向いていて、下手にアイロンを当てるより、1度全部濡らしてドライヤーで乾かしてからの方が早いと判断した。




到底10分で身支度は終わらないだろう。




…うう、なんで寝坊なんて…。



昨日、しっかり日付が変わる前に眠りについたくせに昼過ぎまで爆睡なんて…どれだけ疲れてるんだって話だよ…。




宇佐美くんに絡まれて、周りの目を気にするようになったからかな。

宇佐美くんの普通に振り回されて私の日常が乱されているからかな。



だとしたらこの遅刻は宇佐美くんのせい……って。

だめだめ。そんなこと考えちゃだめ。
悪いのは私なんだから。




どんなに急いでも間に合わないから遅れます大変申し訳ございませんって、宇佐美くんに連絡しなくちゃ。