「せんぱい、俺とのキスはノーカンにするって言ってませんでしたっけ」
交わった視線。
色気を含んで濡れた瞳に、私が映っている。
「…全然、無かったことにできてないんじゃないですか?」
「…っ、」
「前回と同じその手も、…して欲しいって言ってるようにしか思えないけど」
勘違いにも程がある。私は本気で今回こそは防ぐつもりでいるんだ。絶対絶対、私のピュアな唇は死守する。
心の中ではそう思っているのに、私を捕える彼の瞳から、どうしても目が離れない。
宇佐美くんの綺麗すぎる顔が近づいてくる。
宇佐美くんの手が、私の手首を拘束する。
ああ、ダメだ。
私はまた宇佐美くんと─────…
「…なんてね」
「…へ?」



