「せんぱい、それ自分で作ったの?」
「…へ?」
「お弁当。…自分で作ったんですか?」
「え、あ、お母さんが…。卵焼きだけは自分で作ったけど、」
カフェオレを飲みながら、私の膝の上に広がるお弁当に目を向ける宇佐美くん。「ふーん」と呟いて、彼は視線を正面に戻した。
聞いておいてそんなに興味無さそうにする?と心の中で思う。
いいんだけど。全然いいけど、…宇佐美くんから誘っておいて特に喋ることも無く黙々とお昼ご飯を食べるって何?
そう思ったら、全然話題を降ってくれない宇佐美くんにむかついてきてしまった。
話しかけられたいと思ってるわけじゃないけど、せっかく一緒に食べてるんだからちょっとくらい話しかけてきたらどうなの。
いいけど。別にいいんですけど!



