これ以上宇佐美くんのペースに流されたくなかった私は、「もう私帰るね」と彼に告げて背を向けた。


欲しい漫画も買えなかったし、ただただ無駄な時間を過ごした気がしてならない。






「…さよーなら」

「あ、待ってせんぱい」







そういう彼の声に聞こえないふりをして歩く。




宇佐美くんはどうせ暇つぶしで私をからかっているだけ。深く考えるだけ時間の無駄だ。


昨日、このまま絡まれたら好きになっちゃうかも…なんて想像した私が馬鹿らしく思える。





宇佐美くんは寂しがり屋で遊び人。

流されるだけ無駄。明日からは、もし絡まれても全部右から左に流すことにしよう。





よし!強く生きるぞ私!
あんな生意気な後輩に負けないぞ!








「せんぱい待ってってば。スカート、後ろ捲れてる」

「……っそういうのは早く言ってよ!」

「せんぱいが俺の話聞かないからじゃないですかー」







……強く生きるんだぞ、私…!