「雅も宇佐美くんにイイコトしてもらったんでしょ?」
「いや何言って、」
「いいよねぇ…年下絶対無理だけど宇佐美くんは例外。色気が大人!神!」
急に語り出したサラに、心の中で「やっぱりな」と思う。
宇佐美くんは誰にだって同じように接するんだ。サラも、さっき空き教室でキスをしてもらっていた女の子も、私も。
彼にはきっと全部同じに見えてるんだ。
女の子と遊ぶのは宇佐美くんの普通。
告白を受け入れないだけ、思わせぶりがないからまだマシかもしれない。
「彼氏がいても宇佐美くんは安全っていうか。絶対バレないじゃない?だって宇佐美くんに『誰にも言わないで』ってお願いされたらOKするしかないもん」
「…はぁ……」
なんだ。やっぱりサラ、彼氏いるんじゃん。
バレるバレないとかじゃなくて現時点で浮気だと思うけどなぁ。
宇佐美くんもそうだったけれど、この世はピュアな私には理解できない"普通"で溢れているだなと実感する。



