恥ずかしいって言ってるのにそんなふうに言わせるなんて、……やっぱり宇佐美くんはずるい男の子だ。


目を逸らせば、「ダメ。俺の事見て」と言われる。今にも心臓がバクハツしてしまいそうだ。




「…、か、」

「うん」

「…か……」

「うん」

「……っ、かれ​───」




​───ふわり、

大好きな宇佐美くんの香りがした。






「…時間切れです」




唇を離した宇佐美くんが、そのままぎゅーっと私を抱きしめる。

幸せすぎて、このまま死ねるって本気で思った。