「せんぱいは今日から俺の彼女になるんですよね」
「かのじょ…」
「そ。ちゃんと言っておかないと、せんぱい後から『好きとは言われたけど付き合ってとは言われてない!』とか言いそうだから」
そんなことは言わない……とも言いきれない。
確かに、このまま家に帰ってリコに報告したとしたら、きっとそれが気になって夜も眠れなかったかもしれない。
何も言い返せずにいると、宇佐美くんはそんな私を見てフッと笑うと、私の髪にそっと触れて耳にかけた。
少しだけ触れ合った指先にさえ、ドキ…と心臓が音を立てる。
「…せんぱいは、今日からちゃんと俺の彼女です」
「……は、恥ずかしい」
「俺は?」
「…、宇佐美くんは、」
「俺は、せんぱいのなに?」



