宇佐美くんの口封じ





突き当たりを曲がって2つ目の教室のドアを開け、彼はそのまま奥のベランダのドアを開け、壁にもたれかかるようにしゃがみ込んだ。


教室内は展示物が飾られているから机も教卓も撤去されていて隠れる場所はなかったので、ベランダくらいしか思いつかなかったのだろう。



流石にファンの子達もここまでは来ないはずだ。

ほっとため息をつけば、彼はくくくっと声を殺して笑っている。





…さっきから何がそんなにおかしいんだ、この人は。





「あの…何が私変なことした?」

「全然。なんか、文化祭中に廊下疾走するって何してるんだろーって思ったら笑えてきて」

「ああ、そう…」




確かにそうかもしれないけど。
何してんだって感じだけど。

でも私はどちらかと言うと巻き込まれた方なんですけど。
別に写真撮るくらいなら逃げなくて良かったような気も……




「あの人たち昨日も来てた。暇なのかな」

「えー、…そうなんだ」

「いつ食われるかわかんないわ、怖」





……ダメ!!!

前言撤回!指一本たりとも触れさせたくない!

逃げて正解!