「う、宇佐美くんのも、…見に行くからね」
「…そですか」
宇佐美くんとこうならなくても、私は彼の演奏を隠れてでも見に行くと決めていた。
彼の音は見るものを虜にする。
私の知らない音が出せる。
宇佐美くんのギターは、かっこよくて綺麗だ。
「…じゃあ、また明日、」
そう言って私はまだ少し痛む身体を動かしベッドを降り、一緒に保健室を出て、ドアのところで宇佐美くんと別れた。
明日、全部伝えるんだ。
私の気持ちも、あの時の後悔も、全部。
花火を一緒に見て、宇佐美くんに好きだと伝えるんだ。
───もう、逃げないって決めた。