宇佐美くんの口封じ






そう思うのに、緊張と動揺のせいか上手く言葉が出せない。

「うっ…、あの、」とかそんな声しか出なくて恥ずかしい。情けない。




今伝えないと、宇佐美くんはまた離れていってしまうかもしれない。
私の気持ちを誤解したまま、勝手に突き放してしまうかもしれない。





「…う、」

「​──今はまだ要らないです」




宇佐美くん、と呼ぼうとした時。
宇佐美くんは私の唇にそっと人差し指を当てて私の言葉を遮った。


意味がわからずそのまま固まってしまった私に彼は小さく笑いかけ、唇から指を離す。





「俺、影響されやすい人なんです」

「…え?」

「せんぱいの返事次第で、…俺、明日のライブで思うようにギター弾けなくなっちゃうかもしれないから」