もうせんぱいに近づくのはやめようと、玲に抱きしめられている彼女を見た時に思った。
俺は別に2人の仲を裂きたいなんて思ってない。
振り向いてくれない人をずっと思い続けるほどの忍耐は俺にはない。
だけど、俺のせいでこんな風に傷つけられるせんぱいに見て見ぬふりは出来ない。
痛いのを我慢して歩こうとするし、
巻き込まれたのは確実にせんぱいの方なのに、「ごめんね」と謝る。
違うよ、雨宮せんぱい。
俺が悪いんだ。全部、俺のせいなんだ。
俺がせんぱいと向き合うことから逃げなければ、こうはならなかったかもしれないのに。
背中に感じるせんぱいの存在。
制服越しに伝わる体温だけで、苦しくて死にそうだ。
好きなのに離れていく距離が苦しい。
せんぱいのことが好きだと伝えたいのに、見え見えの結果を前にして声が出なくなる。
せんぱいがいなくて寂しいと素直に言えたら、
俺は救われるだろうか。



