宇佐美くんの口封じ





それから俺は、せんぱいと距離を縮めるために何かと理由をつけて一緒にいる時間を作った。


話したことのない女の子といるより彼女といたかった。



俺の寂しさをせんぱいが埋めてくれるなら他の子全部切ってもいいと思ったのも本心だった。


純粋にせんぱいと仲良くなりたいと思ったのも本心だった。



初めて外で遊んだ時、お礼はこれでいいと行って手を繋いだのも、本当にそう思ったからだ。

お金よりも言葉よりも、せんぱいの温もりを感じていたかった。
彼女に触れる理由が欲しかったのだ。




屋上でせんぱいに『宇佐美くんに遊ばれるなんか願い下げ』と言われた時、すごくすごく悲しかった。



せんぱいが、『元に戻ろう?』と言った時。

“もしかしたら”を期待してしまった自分が消えなくて、突き放されてショックを隠せなかった。