宇佐美くんの口封じ





運が悪く人が通ったらバレちゃうような場所を選んで女の子と会うのは、もし見つかった時に次の相手が見つかりやすいから。


『誰にもいわないで』と口封じしていたのは、女の子はキスすれば黙る相手だって心のどこかで舐めていたから。

1回キスしたら、その次に持っていきやすいから。



俺が遊んでいるという噂があまり大きくなりすぎなかったのは、その効果があったんだろう。





俺は、行為そのものではなく、その行為をすることで自分がより求められることの快感を知った。





「あたし、…宇佐美くんの彼女になりたい」

「ごめんねー。俺、彼女つくらないの。誰かひとりのものになりたくないんだよね」




だんだん告白をまともに受け答えするのも面倒になって、そう答えるようになってからは気づいたら俺は"みんなの宇佐美くん"になっていた。


まあその方が色々都合いいし、別になんでもいいんだけど。