宇佐美くんの口封じ






私がつい数秒前に居たはずの踊り場に女の子が3人立って、私を見下ろして笑っている。


宇佐美くんと同じ学年の女の子だろうか。
それとも私と同じ学年の子だろうか。

…私の関わったことの無い軽音楽部の子かもしれない。



痛みのせいか、突き落とされた動揺のせいか、上手く考えられなかった。

込み上げてくる熱。
泣きそうになるのを必死で堪える。




「…、私、は」

「ここ、人少ないしさぁ、痛いなら自力で歩きなよ?…玲くんのこと呼んだり、このこと言ったりしたら次はもっと酷い目に合わせてやるから」





吐き捨てるようにして一人の子が言う。怖くて何も言い返せなかった。

そのまま彼女たちは背を向けて、この場を立ち去ろうとした。







「​──陰でこそこそ痛めつけるなんてダサすぎて笑えるんですけど?」




彼女たちを引き止めるようにそんな声が聞こえ、私は目だけを声をする方に向ける。


そして、目を見開いた。