「雅?休まなくて大丈夫なの?」




授業時間が終わりに差し掛かった教室に戻ると、リコが心配したようにそう聞いてきた。
まだ少し痛む膝をかばうように席に着く。




「てか後輩くんは?置いてきちゃったの?せっかく2人きりだったじゃない」

「…もういいんだよ宇佐美くんのことは、」

「…そう、」




私の声のトーンと顔色から、宇佐美くんとの間に何かがあったことを察したらしいリコ。
気を使ったのか、彼女はそれ以上追及してこなかった。



申し訳ない気持ちを抱きながらも、私にはその優しさに甘えることしかできなかった。