その日の仕事が終わると、俺はすぐさま碧さんにメールした。

碧さんは、俺の都合に合わせると言い、今度の非番に待ち合わせをする
ことにした。

当日、浮かれていた俺はなかなか寝付けず、待ち合わせの喫茶店には予定
の30分前にはついていた。

ソワソワして落ち着かないまま、窓の外を眺めていると待ち合わせ時間の
5分前になって向こうから碧さんが歩いてくるのが見えた。

碧さんが店の扉を開けると、俺は立ち上がり手を振ってみせた。

俺の姿を見つけると、フワリと笑顔を向けてテーブルに近づく。

秋に入って、少し前までの暑さが嘘のように感じる今日は、ベージュの
ワンピースに白いカーディガンを羽織った姿。

それは、色白の碧さんに似合っていて、俺はドキッとするのが分かった。

「お待たせしました。」

「俺も今来たとこだし、まだ約束の時間前だから大丈夫だよ。」

まさか、寝れなくて30分も前から来てるとは口が裂けても言えなかった。

席につくと、碧さんがホットコーヒーを注文し、取りあえずはお互いの
最近の近況と他愛も無い話をした。

一通り話したところで俺が切り出した。

「ところで相談って、どうしたの?」

「実は・・・自立しようかどうしようか考えていて・・・。」

俺はビックリして碧さんの顔を見た。