不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下



アカリを見れば、自分と同じ学ランだと思えない君臨する黒に、勝てるような気がしてきた。



「まずは僕から1人で行って安全か確認する」



そうアヤトは言ってカケルに触れる。


刹那、力を発動させたカケルは、一瞬光ったと同時にシュンっとアヤトが姿を消した。






そして、

激励の言葉が、どよめきの声に変わる。




マジックでも何でもない。

これが、超能力者のテレポート……。





覚悟を決めた俺たちは1人ずつカケルを囲うように立ち、手を伸ばしカケルの身体に触れる。




「あ、ジェットコースター苦手な奴いる?」


「げっ…」



そうカケルの問いかけに嫌そうな顔を見せたのツバサ。



うちのチームには顔に似合わず、って奴が多くないか?