アカリを見れば、自分と同じ学ランだと思えない君臨する黒に、勝てるような気がしてきた。
「まずは僕から1人で行って安全か確認する」
そうアヤトは言ってカケルに触れる。
刹那、力を発動させたカケルは、一瞬光ったと同時にシュンっとアヤトが姿を消した。
そして、
激励の言葉が、どよめきの声に変わる。
マジックでも何でもない。
これが、超能力者のテレポート……。
覚悟を決めた俺たちは1人ずつカケルを囲うように立ち、手を伸ばしカケルの身体に触れる。
「あ、ジェットコースター苦手な奴いる?」
「げっ…」
そうカケルの問いかけに嫌そうな顔を見せたのツバサ。
うちのチームには顔に似合わず、って奴が多くないか?



