不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下





《…君はここの中で1番賢いみたいだね》



突然頭の中に流れた声に思わず身体がびくりと反応した。


声の主を見れば、何事もなかったかのようにお茶を啜っている。




《……ははっ。驚いた。本当に声が聞こえる》



《超能力者だからね》



《……君は確か、力のせいで身長が伸びないんだよね…?》


《そうだよ。僕これでも18歳》


《アカリは…?アカリは何を失ってる…?》


《君の想像通りのものさ》




俺はアカリと小さい頃の付き合いだ。

だから、わかる。



……最近、表情柔らかくなったと思ったんだけどなぁ。



俺はあいつが歯を出して、心の底から笑ったところを1度も見たことがない。