side.カケル




この力は能力者の精神状態も関係するとわかっていたが、これ程とは…。





アヤトくんに謝りを入れ、自分も何とか立ち上がれば、



「派手な登場だな」


低く、敵意のある声がした。



俺はとんでもないところに着地してしまったらしい…。
アヤトくん、ごめん…。





そして、顔を上げると、目の前にはここのボス。

黒髪から覗く瞳は、あの暗闇を連想させられた。




周りの奴らも初めて会った時とは違う雰囲気に、背中がゾクリとする。


大勢から受ける威圧感なのかはわからない。

けど、自分が普通の人間の集まりに一瞬怯えてしまった事は確かだ。