「おい、公平!!」


着くや否、目に留まったのは翔子を背負う公平だ。
バイクを降り、急いで駆け寄る。



「助けられたみたいだな…。よかった怪我してねぇみたいで」


「ショウ……」


公平は、怪我なく翔子を助けられた喜びも安堵の様子すらも見せない。



さっきまで殴り合いがあったとは思えない、しんっと静まり返った辺りに嫌な予感がした。




「みんなは…?」


「………たぶん裏だ」



裏?

翔子を助けられたのに撤退もせず裏に?