とにかく、リンが目覚める前になんとかしなくてはならない。



その前に、

今目の前にいる人物、アヤトくんは、リンを連れ戻す時に全く抵抗していなかったし、研究所側の奴らなのかもしれない。




「……そんな目で見ないでよ。コレが1番いい策だったんだ」


無意識に俺はアヤトくんを睨みつけていたらしい。



「策……?策ってなんだよ」


「リンをここから逃すだけじゃ、一生追われ続けるだけで何の解決にもならない。
……ここにいる奴ら全員を根絶やしにしなきゃ意味がない」



アヤトくんは味方だった、けど、とんでもない事を考えている。

根絶やしって……



「まさか、この研究所ごと……?」



冗談じゃないのは、アヤトくんの表情で分かった。