ナギは昔からリンに懐いてたからな……


リンがいなくなった日も、まだ幼いせいか力を暴走してしまい、宥めるのが大変だった。




「あの女は力の使いすぎで眠ってるから会えないよ」


俺の代わりに答えてくれたのは後ろから現れたアヤトくんだった。



「もしかして、アヤトくん?アヤトくんも帰ってきたの?」


「ナギ、お前はうろちょろするなって言ったろ」


同じくらいの身長のアヤトくんがお兄さん風を吹かせていて少し面白い。

いやまぁ、俺よりも歳上なんだが…。





「…リンちゃんも、カケルくんも、アヤトくんも外の世界行ったことあるんだねぇ…。いいなぁ…、ナギも行ってみたい!」


そう言って笑うナギに俺はぐっと心が痛くなった。



力のせいで目が見えないナギにとっては、ずっとここは暗闇なんだ…。