『ぁ、アカ、リ……』


魔法陣の光と、涙で視界が霞む。

けど、声と、ホッとするような安心感に、そこにいるのはアカリだと、確かに分かった。


「俺の初恋はまだ続いてんだよ、こんなとこで終わらせてたまるか!」


アカリが声を上げるのも、いつもは無表情なのにこんな必死な顔をしているのも、私のせいだと思うと嬉しく思ってしまう。

そして、アカリが魔法陣の光に触れると、それは弾けるように消えていく。


同時に呼吸が楽になるのを感じた私は、驚いて側で立つアカリを見上げた。


『な、なんで…?』

「俺、なんか知んねーけど、無効化の能力者らしい」

『はっ?』


驚く私を他所に、アカリは「そんなことより、」と言葉を続けた。