地面の揺れは収まらぬまま、部屋中の物が飛び交う。


「ナギ!ダメだ!!落ち着きなさい!!」


「うるさい黙れ!!リンちゃんをいじめるな!!」


懸命に叫ぶ吉田もナギの周りにできた竜巻のような風に勢いよく吹っ飛ばされる。


「ぐはっ…!」

そのまま壁に衝突し、意識を失ったが、ナギの勢いは止まらない。




「うわあああああああ」


ナギの力、"念力"が暴走している。

このまま暴走が続けば力を使い果たしたナギは眠りから覚めなくなってしまう可能性がある。


止めなくちゃ…!!

『ナギ……っ!!かはっ……ナ、ギ!!』


そう思うものの、もう私の体力は残されていない。



《緊急事態発生、緊急事態発生、実験台No.4が暴走。第1ラボより火災発生___________》


「ナギじゃない!ナギのせいじゃない!!」


聞こえてきた放送に、ナギの勢いは増していく。