不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下



「ナギ、ダメだろう?勝手にここに入っちゃあ。」


吉田が階段を降り、ナギの元に近づく。



「吉田さん?リンちゃんいるんでしょ?」


「リンは今親方様とお取り込み中なんだ。さぁ、部屋にお戻り」


「でも、なんだかリンちゃん苦しそう…」


目の見えないナギが好都合のようにニヤニヤと笑いながら、ナギの背中に手をやり誘導する吉田。

思わず触るなと言ってやりたい。

でも、今はこれでいい…。




『行って、…っ、ナギ………』

頑張って呼吸を整えなんとか声を絞り出した。


ナギが私のことを姉のように慕ってくれると同様、私もナギのことを妹のように思ってた。


だから、お願い。

行って……!!