「ナギ、ダメだろう?勝手にここに入っちゃあ。」
吉田が階段を降り、ナギの元に近づく。
「吉田さん?リンちゃんいるんでしょ?」
「リンは今親方様とお取り込み中なんだ。さぁ、部屋にお戻り」
「でも、なんだかリンちゃん苦しそう…」
目の見えないナギが好都合のようにニヤニヤと笑いながら、ナギの背中に手をやり誘導する吉田。
思わず触るなと言ってやりたい。
でも、今はこれでいい…。
『行って、…っ、ナギ………』
頑張って呼吸を整えなんとか声を絞り出した。
ナギが私のことを姉のように慕ってくれると同様、私もナギのことを妹のように思ってた。
だから、お願い。
行って……!!



