聞こえてきた控えめな少女の声。
ボヤける視界で捉えたのは、階段の下、入口のドアから少し頭をのぞかせている、
私を、姉のように慕ってくれる女の子、
『ナギ……、来ちゃだ、め……』
なんと声を絞り出したが、すぐさましまったと思った。
「リンちゃん、どこ?いるんでしょ?」
目の見えないナギはその声を頼りに中まで入ってくる。
『くっ…はぁ、はぁ……』
私が声を出したら、ナギが来ちゃう…
ナギまで巻き込むわけにはいかない…!!
そう思うのに、心臓の痛みに思わず声が出てしまう。
「リンちゃん?苦しいの?ねぇ、どこ?」



