不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下



聞こえてきた控えめな少女の声。

ボヤける視界で捉えたのは、階段の下、入口のドアから少し頭をのぞかせている、

私を、姉のように慕ってくれる女の子、




『ナギ……、来ちゃだ、め……』

なんと声を絞り出したが、すぐさましまったと思った。

「リンちゃん、どこ?いるんでしょ?」


目の見えないナギはその声を頼りに中まで入ってくる。


『くっ…はぁ、はぁ……』


私が声を出したら、ナギが来ちゃう…
ナギまで巻き込むわけにはいかない…!!

そう思うのに、心臓の痛みに思わず声が出てしまう。


「リンちゃん?苦しいの?ねぇ、どこ?」