年上幼なじみの過保護な愛が止まらない。

「ふふっ、断っても来るでしょ?」



そう言った宗ちゃんの表情は、昔私を甘やかしてくれた、優しい優しい宗ちゃんの笑顔だった。

どうして急に、ご機嫌になったんだろう……?

わからないけど、嬉しい……。

なんだか、前に戻ったみたいっ……。

宗ちゃん以上にご機嫌な私は、「えへへ」と満面の笑顔を返した。



「……いいよ。藍ならいつでも」



え?



「宗ちゃん、何か言った?」



声が小さすぎて、聞き取れなかった。

聞き返した私に、宗ちゃんはまた優しい笑顔を浮かべる。



「ううん」



宗ちゃんは「何もないよ」と言って、頭をわしゃわしゃと撫でてくれた。

それだけで、私は天に召されちゃうほど幸せだと思った。


エレベーターで自宅の階に行き、家の前で宗ちゃんと別れる。

誰もいない家に入ると、リビングのソファにダイブした。