家に向かって進む車内では、気まずい空気が流れていた。
宗ちゃんは、ひと言も話さない……。
いつもなら、『最近学校はどう?』とか聞いてくれるのに……やっぱり、何か怒ってるのかな……?
というより……どうして迎えに来てくれたんだろう?
さっきはなぜか颯くんと険悪な雰囲気だったし、もうわからないことだらけ。
「そ、宗ちゃん」
「……何?」
気まずさに耐えきれず、何か話そうと思った私に返ってきた声は、随分と素っ気ないものだった。
いつもの宗ちゃんなら、『どうしたの?』って返してくれる。
それなのに……。
「きょ、今日はどうして迎えに来てくれたの?」
「家に帰る用事があったんだ。ちょうど藍の高校が終わる時間帯だったからついでに拾って帰ろうと思って」
「そ、そっか……」