一緒に帰ってくれていたのに申し訳なくて、そう謝る。



「ううん、気にしないで。毎日会えるんだから」



やけに“毎日”を強調して、一瞬宗ちゃんのほうを見た颯くん。



「ありがとうっ……! また明日!」



颯くんによる謎の行動の数々が気になったけど、宗ちゃんが私の手を引っ張り歩こうとし出したので、慌てて手を振って歩き出した。



「バイバイ、気をつけてね」

「うんっ」



笑顔で頷き返して、宗ちゃんについていく。

焦っているみたいに、強引に引かれる手。

宗ちゃんは車の前まで来ると、私の手を離した。



「早く乗って」

「う、うん……!」



素っ気ない言い方に、戸惑いながら助手席に乗る。

宗ちゃん……何か怒ってる……?

冷たい表情で前を見ながら車を発進させた宗ちゃんに、そう感じずにはいられなかった。