年上幼なじみの過保護な愛が止まらない。

「藍ちゃん……!」



正門を出たとき、背後から名前を呼ばれた。

振り返ると、そこにあったのはよく知った人の姿。



「颯くん?」



私のほうへ走ってくる颯くんの姿に、首を傾げる。

颯くんは私の目の前まで来て、足を止めた。



「えっと……今日は1人?」

「うん。2人とも用事があるみたい」

「そっか……藍ちゃんって電車通学だよね? よかったら、駅まで一緒に帰らない?」



断る理由もないので、私は笑顔で頷いた。


学校から最寄駅は、徒歩10分くらい。

同じ制服を身に纏う人がちらほらと見える中、2人で駅までの道を歩く。



「例の幼なじみとは、最近どうなの……?」



そう話を切り出してきた颯くんに、苦笑いを浮かべた。



「あれ以来連絡してないんだけどね……向こうからも、1回も連絡来ないの……」

「そ、そうなんだ」