年上幼なじみの過保護な愛が止まらない。

颯くんはほんとに、優しさ100%だ……。



「あら~、上手に乗るのねぇ」

「“俺たち”じゃなくて“俺”だろ?」

「もういい加減にしてくれ……」



何やらまた、私を置いて3人の会話が繰り広げられているけど。



「ふふっ、みんなありがとう」



心配してくれる気持ちが嬉しくて、笑顔が零れた。

よーしっ……。

 “押してダメなら引いてみろ作戦”、決行だっ……!


スマホとの長い睨めっこの末、呆気なく敗北を悟った私は「はぁ……」と深いため息をついた。



「なーにため息ついてんのよ。幸せが逃げるわよ」

「ううぅ……」



ルリちゃんの言葉に、唸り声にも似た返事をする。

もう、ため息しか出ないよぉ……。



「この世の終わりみたいなオーラ出てるわよ」

「だって、1週間連絡一切なしだよ……」