勢いよく身体を起こし、ベッドに座った状態で宗ちゃんの背中を見つめた。



「見たら帰るって約束だったでしょ?」



そう言われて、返す言葉が出てこない。



「う……はい……」



確かに約束したけど……宗ちゃんの近くにいると、欲張りになってしまう。



「でも、もう少しだけ……」



もう少し、もうちょっとだけ……と、願ってしまうわがままな自分。



「ダメ」



私の願いは虚しくも、ばっさりと拒否された。

はぁ……。

ため息をついた私に、宗ちゃんが手を伸ばしてくる。



「ほら、帰るよ。送ってあげるから」



……え?



「本当に……!?」



宗ちゃんの言葉に、私はパアッと瞳を輝かせた。



「うん。今日だけ特別。これからは急に来ても、構ってあげられないからね」