「少しだけでいいの……見たらすぐ帰るから……それでもダメ?」



お願い、と言うように、宗ちゃんの目をじっと見つめた。瞳が、ためらうように揺れたのがわかる。

口を固く閉ざして、悩んだ宗ちゃん。



「……はぁ、少しだけだよ」



諦めたようにそう言った。



「やったぁっ……!」



許可がおりたことに、その場で飛び跳ねる。

嬉しくて、そのままの勢いで宗ちゃんに抱きついた。



「……っ、藍、目立つからやめなさい」

「ふふっ、はーい」



機嫌がいいので、おとなしく言うことを聞いて宗ちゃんから手を離す。

宗ちゃんのアパート……どんな感じなんだろう。楽しみだなぁ……。