できることなら、1分1秒でも長く一緒にいたい。

これでも、我慢してるんだもん。

宗ちゃんが『1人暮らしを始める』って言ったときも、本当はぜーったいに嫌だったけど……。

宗ちゃんが、『定期的に帰ってくる』って、『会いたいときは会える』って言ってたから、涙を堪えて送り出した。

もちろん、彼女でもなんでもない私に引き止める権利なんてないことも、わかってる……。

でも、やっぱり想像してたより、会えないのはつらい。

宗ちゃんがどんな生活を送っているのか、どんなところに住んでいるのか、私の知らないことが増えるのが、とっても悲しいよ。

……あ。



「そうだ! 私、宗ちゃんのアパートに行きたい……!」

「え?」



私の言葉に、宗ちゃんは目をまんまるに見開いた。

そういえば、私はまだ一度も宗ちゃんのアパートに行ったことがない。