「君、何してるの?」



前から歩いてきた男子大学生に、そう声をかけられた。

周りには友達らしき人も5人いる。



「あっ……」

「もしかして見学? 俺らでよかったら案内したげるよ」



後ろの人がそう言って、ニヤニヤとした表情で私を見てきた。



「つーか、今から遊ばない?」

「高校生だよね? 何年生? 彼氏とかいるの?」



次々に声をかけられ、一歩後ずさる。



「あ、あの……」



どうして私なんかに声をかけてくるんだろうと思いながら、断ろうとしたときだった。



「藍!!!」



背中の方向から、聞こえてきた大好きな人の声。

宗ちゃん……!

私は、慌てて振り返り、すぐに探していた人の姿を見つけた。

こっちへと走ってくる宗ちゃんに、手を振った。



「え……椎名じゃん」