両手で、自分の顔を覆う。

さっきの電話に出た人が、羨ましくてたまらない。

どうして私じゃダメだったんだろう。どうすれば……私を好きになってくれたんだろう。

考えてもきっと、答えなんて出ない。

今わかっているのは……。

――宗ちゃんは私を、好きになってはくれないということだけだ。