「1人で帰る! もう放っておいて!!」
そう言い放って、宗ちゃんから逃げるように帰ってきた。
マンションに着いて、エレベーターに乗る。
はぁ……。
あんなふうに怒って……宗ちゃん、呆れたかな?
子供すぎた自分の行動に、反省する。
でも……宗ちゃんも、あんな迷惑そうな顔しなくてもいいのに……。
今頃、家で何してるんだろう……。
というより、宗ちゃんって、女の子家にあげたりするんだ……。
それが、一番ショックだった。
『宗ちゃん……私もいたい。……ダメ?』
私の知らない女の人と宗ちゃんが一緒にいるのが嫌で、勇気を出してそう言った。
『ダメ。子供はもう帰る時間でしょ』
私はダメなのに……あの人はいいんだって言われた気分になる。
思い出したら悲しくて、涙がじわりと零れた。
エレベーターが止まって、扉が開く。
すると、開いた扉の先に、宗ちゃんママの姿が現れた。
「藍ちゃん! おかえりなさい」
私はこっそりと涙を拭って、笑顔を浮かべる。