年上幼なじみの過保護な愛が止まらない。

最後まで1人暮らしに反対していた両親と、お互いの妥協点として収まったのが、この家だ。



「男の1人暮らしなんだから、本当はもっと狭いところでもいいんだけど」



父さんの仕事を手伝っているとはいえ、親の金で住まわせてもらっている以上、贅沢をしたいとは思わない。

大学を卒業したら、椎名グループに相応しい人間になって、父さんの会社をもっと大きくしていくつもりだ。

両親にはできるだけ親孝行したいと思っている。

そして……俺の描く未来図には、いつだって隣で藍が微笑んでいる。

あー……会いたい。

会いたすぎて、幻覚まで見えてきた。

あそこにいる人が、藍に見える。

アパートの共用玄関に立っている、1人の女子学生。

少しずつ距離が迫って、その人の顔がはっきりと見えてきた。



「藍……?」



驚いて、ピタリと足が止まった。