話がおかしな方向へ行き始めていたとき、背後から声をかけられた。

そこにいたのは、クラスメイトで仲良しの七瀬 颯くん。



「颯くん、おはよう!」



笑顔で返事をすると、颯くんも太陽みたいな満面の笑みを返してくれた。

颯くんは、好青年という言葉が相応しい本当にいい人。

優しくて、面白くて、クラスの人気者だ。



「あれ? 藍ちゃん、どうしたの?」

「え?」

「今日、ちょっと元気ないように見えるけど……」



颯くんの言葉に驚いた。

そ、そんなに顔に出てたかな……?



「ふふっ、さすが七瀬だわ~」

「藍の変化には敏感だなぁ~」



ルリちゃんと理香ちゃんが、意味深な笑みを浮かべた。

2人の言葉に、颯くんはなぜか顔を真っ赤にさせる。



「か、からかうなよ。性格悪いな……」