「椎名、あの日の埋め合わせしろよ~」
大学の講義が終わり、俺のもとへ来たのは、同じゼミの学生たち。
あの日というのは多分、1週間前のことを指しているんだろう。
藍を迎えに行った1週間前。
用事があって家に帰るついでなんて言ったけど、実家に用なんてなかった。
むしろ、大学の講義の中で、複数人でするグループ課題が出されたから、その日は集まって課題をするはずだったんだ。
でも……藍から連絡がない日が1週間も続き、しびれを切らした俺は、ゼミ仲間との約束を放り出し、藍のもとに行った。
普段、返事はしなくても、藍からの連絡を心待ちにしている俺。
いつもなら毎日何通も来る連絡が、ピタリと止まったことに、焦りを感じた。