嶺くん、昨日も出ていったけど……一体どこに行ってるんだろう?
部屋に嶺くんがいないって思うと……なんだか、不安だな……。
「じゃーな」と言って出ていこうとする嶺くんを、じっと見つめた。
「……っ」
私のほうを見て、一瞬悩むような顔を浮かべたあと、「……おやすみ」と笑って、部屋を出ていってしまった嶺くん。
ガチャリと、外から鍵が閉められた音が響いた。
もしかして、昨日も夜に出ていって、朝戻ってきたのかな……?
遊びに行ってるとか……?
『不良って有名だろ?』
ふと、池田くんのセリフが脳裏を過った。
あれは、本当なのかな……?
今も、遊びに行っちゃったってこと……?
……ううん、やめよう。
何も知らずに決めつけるのは失礼だし……私には嶺くんが、悪いことする人だなんて到底思えない。
今日はもう……寝よう。
私は自分の……というより、お兄ちゃんの部屋に戻って、ベッドへ入った。
目が覚めたのは、朝の7時頃だった。
嶺くんはまだ帰ってきていないみたいで、肩を落とす。
結局、あれから帰ってきてないのかな……?
心配、だなぁ……。