「えっと……少しだけお母さんのお手伝いをしたり、お弁当作ったり……」

「へぇ……えらいな。このレベルなら、店でも出せんじゃねーの」


真顔でそう言われて、苦笑いを返した。

ほ、本気で言ってくれてるのかな……?

自分のごはんが美味しいなんて、あんまり思うことないけど……。


「嶺くんに……喜んでもらえてよかった……」


今までいろいろ勉強してきて、よかったなと心から思う。

これからも、美味しいごはん作れるように頑張ろうっ。


「……胃袋つかまれるって意味がわかった」

「え?」

「……なんでもない」


そう言って、空になったお皿を見つめた嶺くん。


「なあ、まだ残ってる?」

「ふふっ、うん! どれ?」

「……全部」


ぜ、全部?

やっぱり、男の子の食欲はすごいなっ……。


「ふふっ、わかった……!」


嶺くんの食べっぷりは見ていて気持ちがよくて、なんだか見ているだけでお腹がいっぱいになる気がした。