なんだか、可愛いっ……。


「もうできたよ……!」

「食おう。運んでいい?」

「ふふっ、うん!」
 「早く食いたい」とせっせと料理を運ぶ嶺くんに、頰が緩みっぱなしになる。

テーブルにごはんを並べ、2人で手を合わせた。

お箸の持ち方、綺麗だなぁ……。

どれから食べようか悩んだ末、肉じゃがに手をつけた嶺くんを見てそう思う。

昨日も思ったけど……嶺くんはきっと、すごく育ちがいいんだと思う。

普段は遅刻ばかりと聞いたり、でも成績はいいと聞いたり……いろいろと素性はわからないけど、それだけは言い切れた。

もぐもぐと肉じゃがを咀嚼し飲み込んだあと、大きなため息を吐いた嶺くん。


「……はぁ」


その意図がよくわからなくて、ドキドキしながら嶺くんを見た。


「……うっめぇ……」

「ほ、ほんと……?」

「学食の飯食えなくなりそう……」


その発言に、言いすぎだよと思ったけど、本人の表情に冗談は見えなくて、反応に困ってしまった。

でも……う、嬉しい……。


「なんでこんな料理できんの?」


ひたすら食べ進めながら、そう聞いてきた嶺くん。