「なに驚いてんだよ」

「……え、えっと、ごめん……」


慌てて、両手で口をふさぐ。

悠人くんが2トップの1人だってことは昨日聞いたけど、もう1人は嶺くんだったんだ……!

どちらかといえば、不良?っぽく見えるから、びっくりした……。

人は見かけによらないと、改めてその言葉を実感した。


「ま、うちのクラスは学年2トップがそろってるからな。俺らのおかげで平均保ってやってるって感じだな」

「おい池田……ワースト2に誇りを持つな」


本当にこの2人は息ぴったりというか、会話の内容に笑ってしまう。

つい口元が緩んで、ふふっと声を出してしまった。

先生の鋭い視線が、私たちに向けられていたことにも気づかずに……。


「……そこのバカ3人。全員今すぐ留年にしてやろうか?」


低~い声が教室に響いて、背筋が凍るのを感じた。

ちゃ、ちゃんと勉強しなきゃっ……。

どうやら、担任教師でもあるこの先生は、かなり厳しい人らしい。

2時間の補習が終わり、窓から差す夕日が眩しい。

早く帰って、晩ごはん作らなきゃ……!