それにしても、嶺くんはなんでいるんだろう……?

もしかして、私を心配して……?

いやいや、それは自惚れすぎというか……もしかして昨日はいなかっただけで、本当は補習組だったとかかな?


「追試受けないだろ」


私の予想は、先生の言葉によって外れてしまったことに気づく。

追試じゃないなら、どうしてだろう……?


「……わかんねーとこあったから」


ぼそりと、低い声でそう言った嶺くん。


「……まぁいいか。始めるぞー」


先生はため息を吐いて、何事もなかったように授業を始めた。

わからないとこ……嶺くんって、意外と真面目なんだなっ……!

い、意外とって失礼かなっ……。

自分から補習に参加するなんて、勉強が好きなのかもしれない。

そう思ったけど、どうやら今度も私の予想は外れていたらしい。


「おいおい、あいつマジでなんでいんの……?」

「わかんないとこあるとか絶対嘘だろ」


コソコソ話している2人の会話に、首を傾げた。


「嘘……?」


どういうこと……?


「いや、あいつ2トップじゃん」

「……え!」


池田くんの言葉に、思わず声をあげてしまった。