目を見開いたあと、髪をガシガシとかいて、ゆっくりと口を開いた嶺くん。


「寮に帰ったら、ずっと一緒にいられるだろ?」


少し照れくさそうな言い方に、口元が緩む。

ふふっ、そっか……学校が終わったら、嶺くんとたくさん話せるっ……。


「うんっ……!」


寂しいけど、今は我慢しよう。

バレることだけは、避けないといけないもんねっ……。


「部屋に戻ったら、たくさん喋ろうねっ……?」


笑顔でそう言って、嶺くんに手を振り、先に歩き出した。

よーし、今日もお兄ちゃんのフリ頑張るぞ……!

そう意気込む私の後ろで、「はぁ……」と、ため息が生まれていたことに、気づかなかった。


「……あんな可愛いのいたら、バレるだろ……」