2人の親しそうな雰囲気に、自分が場違いな気がして1歩あとずさった。

すると、女の人が私に気づいて、目を見開く。


「……あれ? もしかしてその子……昨日話してた女の子なの?」

「……え?」


昨日、って……?

それに、話したって……。

もしかして嶺くん、この女の人に私のこと、話したのかなっ……?

驚いて嶺くんのほうを見ると、嶺くんは優しい微笑みを浮かべながら、私の肩をポンッと叩いた。


「こいつはバラしたりしないから、信用して大丈夫」


それは、本当に絶対的な信頼を置いていることが伝わってくる言い方だった。この人が嶺くんにとって……信用の置ける大切な人だということがわかる。

それと同時に、なぜかチクリと胸が痛んだ。
なんだろう、これ……。

どうしてこんな、胸がチクチク痛むの……?

も、もしかして、病気なんじゃ……っ。

そんなことを考えている私をよそに、女の人が目を潤ませてこちらを見てきた。


「初めまして! 私、この学校で保健室の先生してるの」


あ……白衣を着ているからそうかなと思ってたけど、やっぱり先生だったんだ。