ルームメイトの狼くん、ホントは溺愛症候群。

設備も整っていて、どこもかしこも綺麗で、よく手入れがされている。

お兄ちゃんも、頭はよかったはずなんだけど……。

留年の危機に陥るなんて……いつのまにそんな危ういことになってたんだろう……。

そんなことを考えながら寮を探していると、“帝ヶ丘寮”と書かれた建物を見つけて、そっと中に入った。

洋風の館みたいな建造物。お兄ちゃん、こんなところで生活してるんだなぁ……。

ちょっとだけ羨ましいっ……。

時刻は6時半。

学校は8時半からだから、寮はまだ静かで人影もない。

できるだけ人と会わないように、辺りを見渡して確認しながら部屋を探す。

502号室……ど、どこだろうっ……。

5階にあるはずなんだけど……見当たらない……。

早速迷子になってしまったようで、涙が溢れてくる。

もう、やだ……帰りたいっ……。

学校に入って数十分しか経っていないのに、この有様。

ここどこ……502号室さん、どこですか……?

溢れる涙をゴシゴシと拭きながら、寮内をさまよっていたときだった。

――ダン、ダン。

後ろの階段のほうから、足音が聞こえてきたのは。

途端、身体がびくりと震えた。