ルームメイトの狼くん、ホントは溺愛症候群。

嶺くんはぺろりと完食し、さらにおかわりしたものまで平らげた。

お、男の子の食欲ってすごいな……と驚きながらも、終始美味しそうに食べてくれたことがすごく嬉しい。

こんなふうに食べてくれる人がいたら、ごはんを作るのも楽しくなりそう。

食事をすませたあとは、すぐに学校の支度をした。

 「洗い物は俺がする」と言ってくれた嶺くんに甘えて、嶺くんが洗い終わった頃に、私も支度をすませた。


「日奈子、そろそろ行くぞ」

「あ、うん……!」


嶺くんの声に、少しだけ驚く。

時刻は7時40分。

教室までは10分くらいだし、HRが始まるのは8時半だからまだ少し早い気がした。

本当はもう少し、嶺くんとのんびりしたかったけど……そんなことを言っても仕方がないと思い、嶺くんと部屋を出る。

寮を出て校舎に入ると、教室とは逆方向に行こうとする嶺くんに、首を傾げた。


「あれ? 嶺くん、教室こっちだよね……?」


そっちに行ったら、遠回りになるんじゃないかな……?


「ちょっと寄り道させて」


嶺くんの言葉に、私は首を縦に振った。

どこに行くんだろう……?