ルームメイトの狼くん、ホントは溺愛症候群。

「……あっ! 嶺くん、持つよ……!」

「こんくらい平気」


荷物が多かったのに、軽々と全部持ってくれた嶺くん。

嶺くんって、さりげなくリードしてくれるっていうか、見た目は少し怖そうなのに、本当に優しい。

きっとモテるんだろうなぁ……と、ふとそんなことを思った。

部屋に帰って、すぐにごはんの支度をする。

まだ時間に余裕はあったけど、嶺くんもお腹がすいているだろうし、ゆっくりごはんを食べたかったから。


「嶺くん、朝ごはんできたよ」


でき上がったプレートを、テーブルの上に並べて嶺くんに声をかけた。

制服に着替えた嶺くんが、部屋から出てくる。

テーブルに並んだ料理を見て、嶺くんが目を見開き、そして固まった。


「……」


あ、あれ……?


「あの……苦手なものあった、かな?」


嶺くんの反応に心配になって、恐る恐るそう聞いた。


「いや、なんか店で出てくるようなやつだったから……驚いた」


……え?

ほ、褒めて、くれたのかな……?

照れくさくも嬉しくて、「味は保証できないけど……」と笑った。

2人で、テーブルの席に座る。


「いただきます」